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誤った過去の歴史を理解しよう

 最近のネットの書き込みを見ていると、あからさまな韓国や中国に対するヘイト発言や、あの惨めな敗戦で終わった日本が正しかったとして、もう一度大日本帝国の実現を望むような声までが大きくなっているような気がする。

 「教育勅語のどこが悪いのか」と開き直ったり、「在日韓国人は国へ帰れ」だとか、日本会議神社本庁が政府の中枢に入り込み、戦争を知っている世代が次第に消滅していくのに勢いを得て、ますます露骨な右傾化が進んでいる感じである。何かまた「戦争が廊下の端に立っている」戦前の雰囲気に似た感じさえ漂ってきたような気さえする。

 そんな中で先日、新聞に戦時中のアメリカにおける日本人の強制収容所送りに関する特別展がワシントンの中心部にあるスミソニアン国立アメリカ歴史博物館で開かれたことが載っていた。(朝日新聞2017.3.11)

 戦時中、約12万人の日系人が米国の市民権の有無に関わらず、敵性国人だとして全米10ヶ所の強制収容所に送られたが、1988年に半世紀ぶりにその誤りが認められ、大統領がそれを補償する法案に署名したと言う事実を示す特別展で「不正を正す」( Righting a Wrong)と言うパネルが貼られていた由である。

 そこで館長のジョン・グレー氏は「最も重要な教訓は、過ちが起きた過去を調べ、理解することです。それが未来における過ちを防ぐことにつながる」と話し、自分自身が向き合いたくないことについても、調べようという意思を持つことが大事だと言っているそうである。

 かっての大日本帝国朝鮮半島を植民地にし、中国を侵略したことは嫌でも否定し難い歴史的な事実なのである。南京の虐殺慰安婦の問題を今でも否定的に捉える人たちがいるが、これらはその過程で起こった事件であり、犠牲者の数や、強制であったかどうかより、もっと根本的で重大な問題のごく一部に過ぎないことを知らなければならない。加害者はすぐに忘れることができても、被害者は容易に忘れることができないことは広島や長崎の原爆を見ればわかる。

 直接戦争を知る世代が死に絶えてしまっても、事実は消えない。今や近隣のアジア諸国の発展は目覚ましく、もはや戦前とは全く様相が変わってしまっていることも理解すべきであろう。世代が変わっても、過去の歴史的事実を知り、それを踏まえ、その反省の上に、友好を図らねば近隣諸国との真の友好関係は築きえないであろうし、また、将来はそうでなければわが国の真の発展も望めないであろうことを理解するべきだと思う。