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原発再稼働の無責任体制

 最近の新聞によると米国の原子力規制当局は、避難計画を非常に重要視しているらしく、ニューヨーク州のショーラム原発は、州知事が避難計画を不十分として承認せず、結局一度も稼働せずにそのまま廃炉と決まったそうである。

 それに対して日本の場合はどうだろう。原子力規制委員会で一応基準を決め、それを原発再稼働の一つの基準としているが、この基準は田中原子力規制委員長も言うように「設備などの基準の適合性は見るが、安全とは申し上げない」もので、避難計画の審査などはしない。
 最近、玄海3、4号機について、審査で規制委新基準に「適合」するものと決定されたので、これらの原発佐賀県知事や、立地自治体の同意があればやがて再稼働されることのなるようだが、運営面や事故時の対策などの基準があるわけでなく、設備面で新基準に適合することが認められただけのものである。

 今だに運営に関わるソフト面では緊急時の避難計画などはまだ完成しておらず、原発から30km以内に入る避難経路については壱岐の島の避難計画などをどうするかなど、問題を残したままである。

 これでは車は出来ました。走るのに問題ありませんのでどこを走ってもよろしいと言うようなもので、信号も歩道も無視しても構わないと言うようなものである。規制基準はあくまで設備が動かしても良い基準内に収まっていることを認定しているだけであって、動かした場合の周囲への影響や事故の場合の処置などについての基準は何も決められていない。

 実際に福島の原発事故では6年経っても未だに人の住めない汚染地区を残したままなのに、再稼働させる原発について避難計画などの対応基準を決めないで、地元任せで政府は知らないというような対応はあまりにも無責任ではなかろうか。

 東電の事故処理費用を国民の税金や電気料金に押し付ける前に、原発を再稼働させたいのなら、原発の安全性をハードの基準で見るだけでなく、事故対策や避難対策なども含めたソフト面の基準もしっかりしたものを作り、それにも照らして、住民の不安を取り除いてから、再稼働出来るかどうかを決めるべきではなかろうか。

 先に「再稼働ありき」で、諸外国の原発対策をも参考とせず、我武者羅に再稼働させると言うのはあまりにも無責任で強引すぎると言わざるを得ない。