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現役30年、老後30年

 地区の医師会から正月互礼会で、30年間継続会員の表彰をするという案内をいただいて驚いた。病院を辞めてから産業医をすることになって、医師会に入れてもらってから早くも30年も経ってしまったことになる。

 入れてもらった頃には、それまでの自分より若い医師たちばかりに囲まれていた職場と違い、大学時代の同期の友人もいて久しぶりで気楽に話せる雰囲気を喜んだものだが、産業医をいつまでも続けるわけにもいかず、年齢も考えると、医師会もせいぜい十数年の付き合いになるのではと予想していた。

 ところがいつのまにか気がついてみたらもう30年にもなったという感じである。現役の病院勤めがおよそ30年だったから、それと同じ期間がもう過ぎてしまったことになる。考えてみたら年が明ければ私も数え歳で90歳になるので当然のこととも言える。

 生まれてから一人前になるまでの30年が始めにあるので、丁度人生90年が三つに分けられることになる。それぞれの期間にそれぞれに色々な記憶や思い出があるが、過ぎ去った歴史は変えようがない。今ではそれを認めて生きるよりない。

 現役の頃にかけていた年金も、もう掛けただけの年数を貰らったことになる。昨年心筋梗塞をしたこともあったが、幸い今も元気で、時々労働者の健康相談の仕事さえできる幸に感謝しなければならない。

 世情は最近ますます嫌な方向に向かって加速度を上げているようで、将来が心配だが、こちらはいつまでも生きられるわけではない。幸か不幸か、娘や孫たちは誰も日本にはいない。今は余生を楽しく生きることにしている。