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政府が原発再稼働を止められないわけ

 日本経済新聞社と米戦略国際問題研究所(CSIS)の共催で8月26日に都内で開いたシンポジウムで、リチャード・アーミテージ元米国務副長官とハーバード大のジョセフ・ナイ教授は野田佳彦政権が打ち出した2030年代に原発稼働ゼロを目指す方針について「受け入れがたい」と強調したそうである。

  ともに揃って「日本の原発ゼロ方針は受け入れがたい」と明言。地震対策を踏まえた原発立地など安全対策を強化するのが重要との認識を示すとともに、原発増強に動く中国が日本の原子力技術を必要としていることもあり、対中の外交カードを維持する観点からも原発ゼロに反対する姿勢を明確にした。

  外国の識者が日本のことになぜこうまで高圧的なことが言えるのかと思われる方もおられるかもしれないが、この両氏は以前からジャパン・ハンドラーとも言われた、アメリカの属国日本支配の旗手であった人物なのである。今は公式には任務を外れているようだが、これらの発言から見ればなお対日政策とは密接な関係があるのであろう。原子力政策には初めから日米原子力協定が結ばれており、その枠組みの中で日本の原子力政策が運営されてきているのである。

 中曽根首相の時代に日本が自分で核兵器を作る能力を持っておきたいという願いもあって、核保有国以外で唯一再処理工場を認めてもらったという歴史が絡んでおり、日本の原発政策は全てアメリカの同意を得て進められてきたもので、日本単独で方針を変えることができないようである。

 そのような背景があるので、福島原発事故での恐ろしい被害に遭遇して、あれだけ多くの人々の原発廃止の強い希望があったにもかかわらず、政府は国民への説明もないままに強引に次々と原発の再稼動を進めているのである。