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図書館のような喫茶店

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 スターバックスドトールといった大規模なチェーンの喫茶店が全国的に展開するようになってから、従来のような駅近くの裏通りなどにあって、馴染みの客が入ってゆっくり人と談笑したり、営業マンの隠れ家であったりしたり、或いは自分のうちのように長居してレコードを聴いたりしたような、昔ながらの喫茶店は最近ではほとんど見なくなってしまった。

 その代わりに新規のスターバックスなどのチェーン店はどこも大賑わいで、商談や個人的な談笑で訪れる人も多いが、何時間でも粘れるので学生が宿題など持ち込んで頑張ったり、営業マンが仕事の報告をPCに入力したりするなどと、一人で利用する人が昔より多い気がする。

 それもリラックスしてゆっくり時間を潰すというより、仕事の合間の時間調整をしたり、人との連絡や打ち合わせや相談などに使ったり、仕事の成果を入力したりするなどと、場所によっても違うだろうが、昔の喫茶店のゆっくりした感じより、忙しい1日の仕事の合間にビジネスライクに利用する客の方が多い感じである。

 店の方でもそういった客層や店の立地条件なども考えて、窓に向かったカウンタ席を多くしたり、長い机の真ん中を不透明なガラスで仕切ってその両側に座れるような席を設けたりするなどいろいろと工夫をしているようである。

 先日用があって名古屋へ行き、駅前の最近建て直した大名古屋ビルに入っているドトールの店に入って驚いた。日曜日の朝九時頃だったので、仕事も休みだし、空いているかと思って入ったが、ほぼ座席は満杯だった。

 席を見つけようと店内を一覧してみると、ほとんどの人がひとり客で、奥に並んだ上記のような非透明なガラスの衝立に仕切られた長テーブルの両側に、行儀よく座って、皆が横も見ずに、一心不乱に本を読んだり、パソコンに向かったりしていた。

 一瞬図書館に来たのかしらという錯覚にとらわれた。一人の女性は机に上のバッグを乗せたまま、横文字の本を読むのに熱中しているようだったし、他の一人の男性は手にしたスマホと机上のPCを交互に見ながら、真剣な顔をして何か書類でも作っているようであった。

 その隣の男性は飲み物を横に置きながら一心を読んでいるようだった。日曜の朝なので一人者が朝飯を食いに来た序でではなかろうかと思ったのだが、どの席にもそれらしいお皿などの形跡はなかった。サンドイッチを注文して食べだしたのは後から入ってきた女性だけであった。後の人はもっと早くから来ていて、もう食べ終わって片付けた後だったのかも知れない。

 この景色を見ていると図書館で見る景色とほとんど変わらない。最近は本屋の中にも喫茶店があってコーヒーでも飲みながら本を読めるところもあるし、図書館でもお茶やコーヒーぐらいは持ち込んで飲みながら本を読んだり出来るところも多く、本とコーヒーは元々縁が深い。

 同じ喫茶店でも時代が変わればその形態や内容も変わるものである。最近はコンビニでもコーヒーが買えるところも多くなり、その人たちのための机や椅子が用意されている店も増えたきたので、そのうちに、スターバックスのようなチェーンのコーヒー店ももっと安いコンビニに客を取られることになるのかもしれないが、今のところは、まだチェーンのコーヒー店は忙しく街を舞台に活躍している人たちにとってはなくてはならない場所として、いろいろな利用のされ方をしているもののようである。

 店によって雰囲気はいろいろであるが、日曜の朝の静かな時間の喫茶店がまるで図書館のような感じだったのには驚かされた。