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期限切れの食品

 先日どこかの食品の廃棄業者がスーパーの期限切れの食品の廃棄物を転売して、それがまたスーパーで再販売されていたということが問題になった。もう5年も続いていたとかいうことであった。

 廃棄物は通常は幾つかの業者を経てもマニフェストを通じて確実に最終処分まで行われるようになっているのだが、マニフェストが偽造されていたそうである。

 日常の食の安全を守り確保するためには、安全情報管理を整備し直してもらわねば困ることだが、この報道で改めて廃棄処分される食品の多さにもびっくりさせられた。

 期限切れと言ってもまだ利用出来るものも多いことだろうし、ずいぶん資源を無駄にしているものである。世界的に見ればまだまだ十分な食料に恵まれない人たちも多いのに、このアンバランスをなんとか出来ないものかと思わざるをえない。

 ネットで見ると、日本は米国、フランスに次いで、世界有数の食料廃棄国(調査機関によって多少前後するが農林水産省の調べによる)だそうで、年間約1700万トンの食料が廃棄されており、そのうち「食品ロス」は年間約500万〜800万トンにものぼる(平成22年度農林水産省調べ)由である。

 この年間約500万〜800万トンという量は、世界全体の食料援助量の約2倍で、日本のコメ収穫量約850万トン(2012年度)とほぼ同じ。また、一般家庭で廃棄される量(食品ロス)は200万〜400万トンで、約半数を占めるということで、想像以上の大きい値に驚かされる。

 こうした現状に対し、日本でもフードバンク(品質に問題がない食品を生活困窮者などに配給するシステム)や形の悪い食材を安く提供する取り組みも行われてはいるそうだが、フードバンクの知名度はまだ低いようで2009年のアンケート調査だと7割以上が「知らなかった」と答えているそうである。

 ところが、 今朝のネット情報によると、フランスでは期限切れの食品の廃棄を法律で禁止し、廃棄されるはずだった食品はフードバンクなどの援助機関に回され、必要とする人々に配られるが、これによって、毎年数百万人に無料の食事を提供できるようになるという。廃棄される利用できないものは動物の餌に利用するように決められた。

 また、延べ床面積400平方メートルを超える店舗は、売れ残り食品の受け入れを行っている慈善団体との契約を2016年7月までに結ぶことが義務付けられ、人の食用に適さなくなった売れ残り食品については、家畜の餌や堆肥として転用しなければならない由で、こうした法律は世界初だそうである。
 この法律は署名サイトChange.org上のキャンペーンを受けて制定されたものらしく、これに尽力した活動家達は、こうした措置がEUレベルでも取られるように、同様な署名活動を欧州全土で立ち上げようとしているそうである。

 日本でも食品の安全確保、品質向上とともに、期限切れの食品の処理についても真剣に考え直すべき時が来たのであはなかろうか。

(本文中の引用は2016年2月7日「Platnews」の転載の転載です。)