今年の抱負は?

 今朝(一月十六日)の朝日新聞のbe版に「今年の抱負は?」というアンケート調査による庶民の抱負のランキングが載っていた。それを見てまず感じたのはこれでは景気は良くならないなということであった。

 今年の抱負の1位が「無駄遣いしない」で、2位が「整理整頓を心がける」3位が「質素倹約」4位「私生活を充実させる」5位「夫、妻に優しくする」という順番であった。

 アンケートの答えている人がおそらく老人が多いような偏りもあるであろうが、4位、5位や6位「運動を頑張る」7位「本をたくさん読む」8位「病気をしない、治す」9位「向上心を持つ」10位「親を大切にする」など、多少ともポジティーブな抱負を抑えて「無駄遣いをしない」とか、「質素倹約」が上位を占めるようでは、老人の回答が多いにせよ、庶民の貧しさ、希望のなさを象徴しているようで、少し情けない。これでは今年の展望も明るくないと感じざるをえない。

 無駄使いをせず、質素倹約してなんとか生き延びようとする年老いた庶民の生活態度がもろに出ているのではなかろうか。記事の中身を見ていると、「年金暮らしなので無駄遣いは出来ない。楽しみのため節約生活のみ。その楽しみとはお芝居を見にいくこと」だとか「所得が低いのについ自分に言い訳をしてコンビニで無駄遣いをしたりカフェに立ち寄ったりしてしまう。今年こそ改めたい」というあまりにもささやかな庶民の抱負が出てきて思わず同情したくなるような気にさせられる。

 このアンケートはおそらく今の庶民の偽らざる生活感覚を象徴しているものであろう。これでは安倍政権アベノミクスの結果としての経済の成長、庶民の生活改善を唱えても、社会の実態は未だ希望の見えない庶民の生活の貧困を表しているようで、今年もあまり明るい夢は描けないものと覚悟しておかねばならないのではなかろうか。