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「医者のバカ」

 朝日新聞に連載されている鷲田清一氏の「折々のことば」に先日カーペンターズの 歌の ”Your love's put me at the top of the world” を誰かが「よーらーぷっみー、あーざーとっぽらわ」とひらがなで歌っていた話とともに、自分もビートルズの”I want to hold your hand"を「あおなほーりょーへーん」と丸覚えにしていたとして、歌は意味ではなく、口調で体の奥に居座るものだと書いてられるコラムが面白かった。

 歌でなくても英語は書かれたものを日本人がそのまま読むより、耳で丸覚えした通りに喋って方が通じることが多いものである。いつかどこかで書いた記憶があるが、アメリカでバスに乗った日本人がバスを降りようとして”I get off"と言ったが、バスはそのまま行ってしまった。次のバス停で同僚が「揚豆腐(あげとうふ)」と言ったらバスが止まって降ろしてくれたという話があった。

 目からの英語より通じるのは耳からの英語で、Audrey Hepburnさんに(ヘップバーンさん)と読んでも通じるはずがなく、明治の人がヘボン式ローマ字を伝えたJames Cutis Hepburn氏をヘボン氏と言っていたのと同じように呼んだ方が通じるであろう。

 ベトナム戦争時代に流行った"We shall over come"の歌を私がよく歌っているのをまだ小さかった下の娘が聴いていて「いしゃのばかー、いしゃのばかー」(医者の馬鹿)と真似て繰り返していたことを思い出した。成る程、似てるじゃないですか。