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政府は憲法を守る義務がある

 先日の衆議院における憲法審査会で参考人として呼ばれた憲法学者3人が、自民党の推薦した人を含めて、揃って今回政府が提出している安全保障関連法案、中でも集団自衛権憲法違反であるとしたことは刮目すべき出来事であった。

 更に憲法学者171人も憲法に違反しているとして国会に拙速に採決をしないように求めており、法的に見ても大勢は集団的自衛権憲法の枠内で肯定することは困難と言うのが結論のようである。自民党内からさえ憲法違反とする声も聞かれるようになった。

 普通の人が常識的に考えて憲法を素直に読んでみても、どうみても集団的自衛権憲法で許されるようには考えられない。自民党が集団自衛権を合憲とする根拠も砂川事件最高裁判決のよるだけで、いかにも無理やりこじつけた感じで、集団的自衛権憲法の範囲内だという安部内閣の姿勢はのはあまりにも強引すぎる。国会審議における防衛大臣などの答弁もしどろもどろである。

 このような状況下でも自民党安部内閣はあくまでも集団的自衛権憲法の範囲内だと主張し、強引に法案可決を狙っているようであるが、そもそも憲法は国民が内閣を縛るものであり、憲法に違反する法律は無効ということが憲法にはっきり書かれているのであり、合憲か否か問題の多い法案を通そうとすること自体が立憲主義に反することであり、

民主的な政府のとるべき態度ではない。

 憲法の99条には「天皇又は摂政及び国務大臣国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と書かれているし、98条には「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」となっているのである。

 憲法を守らなければならないのは国民ではなく政府であり、その内閣がこれだけ疑義の多い法案を強引に通そうとする姿勢だけでも既に国民を無視したファシズム的行為というべきで、一度この法案を廃案にして出直すのが立憲主義であり、民主主義国家の政府の取るべき手段ではなかろうか。

 今の進め方では間違いなくこの国の将来を誤らせると断じざるを得ない。国民は声をあげよう。ここらで安易な追随主義でアメリカへの従属を強めるのを止め、変化する世界の中でどういう中長期的な展望を持つべきか再考して国の進むべき方向を決めて欲しいものである。