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ドイツと日本の違い

  ワイツゼッカー・元ドイツ⼤大統領領が死去された。ナチスドイツの誤りを直視し、犠牲者を弔って許しを請い、その上で現在のドイツの発展に貢献した人で有名な演説がある。1985年の議会で行ったもので以下のようなものである。

「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです」

"Wer aber vor der Vergangenheit die Augen verschließt, wird blind für die Gegenwart. Wer sich der Unmenschlichkeit nicht erinnern will, der wird wieder anfällig für neue Ansteckungsgefahren."(http://huff.to/1BIeNBC

   安倍首相に聞かせてやりたい演説だが、ドイツではこの演説に限らず、今なお過去の問題にメディアの関心 も高く、第二次世界大戦中の自国の犯罪について、極めて頻繁に報道しているそうである。しかもこの 種のニュースは、紙面上で優先的な扱いを受けるといわれる。敗戦から70年経って、ナチスの過去 についてのメディアの関心は衰えるどころか、むしろ強まっているようである。

 なぜドイツのメディアは、これほど積極的にナチス時代の過去を取り上げるのだろう か。今日のドイツが「ナチスの過去との対決」を国是にしている ことによって周辺国の信頼を勝ち取りヨーロッパにおける指導的立場を維持しているのである。

 首都のベルリンにはユダヤ人虐殺の記念がいくつも作られている。それと比べて日本には靖国神社はあっても、侵略の反省を示すものは皆無である。それどころか最近の日本政府の動きはどうであろうか。南京虐殺事件も、”慰安婦”も否定しようとし、侵略戦争すら止むを得なかった生存のための不可欠な戦争であったかのように過去の反省をさえ覆そうと試みている。

 過去にアメリカとの戦争はあっても、中国を始めとしたアジアでの侵略戦争はまるでなかったかのような態度でさえある。しかも今や平和憲法さえ改正し戦争の出来る国にしようと着々準備を進めている。当然周辺の中国や韓国との軋轢は増すばかりである。

 反核行動委員会のスティーブ・ゼルツァー氏は、「安倍政権は米国の後押しを受けて軍国主義化を進 めている」と語り、「過去の戦争の歴史を書き換えることは、新たな戦争をはじめる第一歩だ」と警鐘 を鳴らしているが、安倍政権は最早臆面もなくアメリカに追随し、集団的自衛権の行使、新たな安全保障体制の構築などと、アメリカの先兵となって生き残ろうとしているようである。このまま進めば再び悪夢のような災難が国民を待ち受けている可能性が極めて高い。

 ドイツは二度の破滅の末にようやく安定した発展の道を獲得したが、この国も前者の轍を踏んで、やはりもう一度破滅しなければ立ち直れないのであろうか。