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国際的貢献とは

 日本の新聞やテレビのニュースを見ていると、主として政府筋の情報で「国際的貢献」とか「国際社会がどうこう」という言葉がやたらと出てくる。

 しかしこの国際的というのは具体的に何を指しているのか解説されないのが普通である。言葉は正確に誰にでもわかるように表現すべきであるが、意図的に不明瞭で曖昧な言葉を使って真の意図を隠したり、ごまかそうとしている場合が多いので注意が必要である。

 日本では過去にも「全滅」を「玉砕」と言い、「敗戦」を「終戦」、「占領軍」を「進駐軍」などと言い換えてきた歴史があるので、ことに政府の使う言葉には注意しなければならない。

 表記の「国際的貢献」というのは「アメリカへの貢献」と置き換えた方が意味がよく分かることが圧倒的に多い。「国際社会が非難している」と言ってもアメリカとその同盟国だけが非難していることが多いのであって、世界の人口の過半数を占める中国やインド、アフリカ大陸の国々などはこの国際社会には含まれていないことが多い。

 この「国際的」という言葉に振り回されて、日本がどこまでもアメリカの利害に従い、折角これまでに培ってきた戦争をしない平和国家としての評判を落とし、国民を危険にさらすようなことをすべきではないことは冷静に考えれば政府にもわかるはずである。平和憲法を変えてアメリカの先兵となって戦ってもなんら得るところはない。

 安全保障上必要であれば、最低限の連帯を口頭で示してきた従来の方針を維持すべきで、そこから踏み出すべきではない。もういい加減にここらで「国際的貢献」を見直して、大きな世界の変化の流れも読み込んで賢明に振る舞うのが政府の取るべき道であろうが、果たして今の政府にそれが出来るであろうか。現況を見れば将来の見通しは暗いと思わざるをえない。