ネトウヨとは?

 最近インターネットなどでネトウヨなどという語を時々見て、初めは何のことか老人には若者言葉の一つという以外わからなかったが、どうもネット上の右翼ということで、在特会などのヘイトスピーチなどとも似た傾向で、何かの発言を取り上げて、ネット上で反日だの左翼だのとの発言を際限もなく大勢で繰り返すような人たちのことらしい。ネットの「炎上」などという言葉もあるようだ。

 今まで具体的な例をあまり知らなかったが、今朝メールを見ているとgunosyとかいう色々なところからその人に向いたニュースを選んで送ってくれるというアプリのニュースに、年末の紅白歌合戦で歌ったサザンオールスターの「ピースとハイライト」という歌についての記事が載っていたが、そこでネトウヨとはこういうのを言うのかと初めて知った。

 紅白でのサザンオールスターの歌が問題になったことはやはりgunosy

で見て知っていたが、何が問題になったのか、もう一つよくわからかった。歌詞が出てきたので読んでみたが平和を希求して現状を少し皮肉っているぐらいのもので、べトナム戦争頃に流行った反戦歌のような強い主張でもない。

 ヒットラーのちょび髭をつけて歌ったのを問題にしているのか、歌詞が気に入らないのか、江戸の昔から庶民には川柳その他で政権を皮肉る伝統があるわけで、その諧謔さえ解しないとは情けないと感じるばかりで、政権を支える右翼がムキになって騒ぐほどの問題なのか理解に苦しむ。

 今日のgunosyに乗っていたこの歌についてのtwitterだろうか、書き込みを見ると、それはひどい。「あんな歌を歌わせるNHK反日だ」の、「百田は役立たず」だの、およそ一方的な思い込みでピントの外れたような書き込みばかりである。誰か扇動する人でもいて、あとの人はそれに乗せられて子供のように訳もわからずはしゃいでいるのであろうか。事実を確かめようともせずただ騒いでいるような感じで、何か気持ちの悪さを感じさせられた。

 関東大震災の後には流言飛語が飛び交い、朝鮮人が単に避諱されるだけでなく、朝鮮訛りというだけで虐殺されたようなことまであったことを思い出すし、自分のことでは、戦前その頃の趨勢に乗せられて子供たちが訳もわからず歌った歌をふと思い出した。

「パーマネントに火がついてみるみるうちにハゲ頭、禿げた頭に毛が三本、ああ恥ずかしや恥ずかしや、パーマネントは止めましょう」と。戦争に備え贅沢追放でパーマネント自粛運動があったのである。

 何にもわからない子供たちが皆が歌うから揃って囃し立てたものだったが、こうした子供まで巻き込んだ社会的な風潮の結果がどういうことになって行ったか、歴史が教えてくれた通りである。

  それにしてもヘイトスピーチが公然と許され、ネトウヨのような発言が平気で拡がり、右翼がのさばり、社会的な発言をする芸人にお声がかからなくなったり、自民党のお声でメディアも萎縮するなどして、次第に無言の圧力で戦前の「もの言えぬ社会」がまたじわじわと迫ってきつつある感じがするのは私だけであろうか。