夏のバンクーバーで気が付いたこと

 7月下旬から8月の始めにかけて家族が集まるためにまたアメリカへ行った

が、今回は西海岸の大きな都市で唯一まだ行っていなかったバンクーバへ立ち

寄ることにした。

 誰かがサンフランシスコよりバンクーバーの方が好きだと言っていたが、その

通りで、バンクーバーは都会と海と山が入り交じっている感じのところで、街も

奇麗だし、いろいろと見るべき所も多く、私も同感させられた。

 アメリカと違って銃がなくて安全だし、香港からの移民の多い多民族の街だが、

日本語も良く聞かれるし、日本食のレストランンも多い。

 街の印象は省略するが、バンクーバーの空港に着いてまず驚いたのはドイツ人

の多いことだった。丁度フランクフルトからの便が着いたところだったので入国

手続きの行列は前も後ろもドイツ語ばかりであった。

 どうしてこんなアメリカの西海岸でドイツ人が多いのか、始めは何か特別なイ

ベントでもあってそのためのチャーター便でも着いたのかとも思ったが、フラン

クフルトからバンクーバーまでちゃんと直行の定期便があるのである。

  私の頭の中にある地図の印象からはアメリカ大陸でも東海岸でなら当たり前で

あろうが、東海岸を通り越して西海岸のバンクーバーまでどうしてこんな便があ

るのだろうかと一瞬不思議な気がしたが、地球は丸いのである。何も東海岸を通

らなくても北極周りで来ればヨーロッパとバンクーバーは案外近いのである。

思わぬところで地球の丸さを認識させられた次第であった。

 もうひとつ気が付いたのは、バンクーバーは夏でも朝夕は結構涼しくなる。

日本と違って夏でも遥かに過ごしやすいが、昼間は結構暑くなるので街行く人の

格好はTシャツ姿が多く、ロスアンゼルスなどとさして変わりがない。

 ところがが朝に街へ出てみると殆どの人がコートやヤッケのようなものを羽織っ

ている。ところが昼には暑くなるので、見ていると多くの人は半袖のTシャツに

コート等を着ているのである。こんな組み合わせは日本では考えられないことで

はなかろうか。所が変われば品変わる。人々はその場所に適応して生きているので

ある。

 昔若い頃に始めてアメリカへ着いたのがサンフランシスコであったが、そこでは

毛皮のコートを着た人のすぐ横を水着にような格好をした人が歩いているのを見て

おったまげてことを思いだした。

 なお、カナダからロスアンゼルスへ飛んだのだが、バンクーバー空港には国際線

と別にアメリカ行きのターミナルが準備されていて、そこでアメリカ入国の審査がす

べて済むのでロスアンゼルス空港では時間のかかる入国審査の行列に並ぶ面倒がな

く、国内便同様に荷物だけ引き取ればもうそれでOKということになった。こんなこと

はこれまで知らなかったが、素晴らしい気持ちだった。