96歳の難病

私はこの7月が来れば、もう満年齢で96歳になる。以前に仲の良かった友人達はもう皆先に逝ってしまって誰も残っていない。五人兄弟だったが、今では白寿を迎えた姉と私だけになってしまい、姉は施設で死にかけているといっても良い状態である。父親が94歳で死…

サプリメント

今日の様に社会のあらゆる分野の隅々まで資本主義が行き渡り切ってしまうと、その中で金儲けをして生きていくには、最早、衣食住といった人々の普通の基本的な需要に応えるだけでは、もうどこを見渡しても飽和し切ってしまっており、どこかに間隙を見つけて…

歳を取れば諦めが大事

歳を取れば誰しも体力が弱り、それまで出来ていたことが次第に出来なくなるのが悲しい。 ずっと続けてきた毎月の箕面の滝までの散策も、もう今年になってからは出来なくなったし、散歩の行動範囲も、以前は池田から隣の石橋や川西まで歩いて行っていたのに、…

コンパクト・シティ

私はもう昭和の時代から池田市(大阪府)に住んでいる。両親が亡くなってから、その趾地で建て直した家だが、池田駅から300〜400米ぐらいの近くである。 池田市は呉服、綾羽の機織り伝説以来の古い歴史を持った町で、城跡もあり、その後の歴史も豊かで、山も…

「台湾有事」と言ってなぜ軍備を拡大し戦う準備をしなければならないのか。

最近の世界の情勢を見ていると、ウクライナの戦争や、ガザでのホロコーストが契機なのか、日本でも「台湾有事」だとか、そのための沖縄の軍事要塞化だとか、敵基地先制攻撃など再び戦前のような空気が広まりつつある。 しかし、アジアでも実際に戦争を起こさ…

地域の画廊巡り

近頃はどこの市や町にも小さなギャラリーや画廊があり、地域のアーティストや美術愛好家たちの発表の場所になったり、友人知人の交流の場所になったりしている。 私の住んでいる池田市にも、小林一三記念館・逸翁美術館や、カップヌードルミュジーアム池田、…

ある蕎麦屋さん

阪急の池田駅のすぐ近くに小さな蕎麦屋さんがあることは以前から知っていた。駅前から市役所の行くショートカットになる道筋なので、時々その前を通るものの、何処にでもあるような場末の蕎麦屋だと思って、いつも通り過ぎていた。 ところが昨年ニューヨーク…

命に関わる三大奇景

96歳ともなると、これまでに色々な景色に遭遇してきている。思い出してみると、多くは色々な場面での家族の姿、仕事上で出会した色々な場面、国内、国外の旅行で遭遇した様々な景色など、無数の光景が思い出される。しかし、そんな中で奇景としか言えないよ…

平和国家が武器を造り輸出する

まずは日本国憲法(1946年公布、1947年5月3日施行)をみてみよう。国民主権、平和主義、基本的人権尊重を柱とするもので、その平和主義の基本となるのが第九条である。 「日本国憲法第9条: 第一項:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希…

どうやって死ぬのが良いか

突然ブログを中断してしまい、読者の方々には申し訳ありませんでした。 実は3月27日に以下の文を載せようと準備していたのですが、26日に近医の紹介状を持って病院を受診したところ、即刻、入院加療ということになってしまったのでした。病名は特発性血小板…

緊急時の情報弱者

最近点状出血斑が急に両下肢に出現し、腕や体幹などのあちこちに小さな皮下出血の紫斑が見られるようになり、朝起きた時に唾を吐くと鉄錆色をしていたりすることがあり。これは血小板の低下が原因ではなかろうかと思い、検査をしてもらおうと近くの医院へ行…

ポケモンスリープ(ポケスリ)

SNSを見ていたら、OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、33カ国中最も短いという結果だったとなっていた。日本人は睡眠時間まで削って熱心に働いている表れかと思ったら、米シンクタンクの試算では、睡眠不足による…

人も町も変わってしまった

ずっと日本に住んでいるので日々出会う人々は殆どが日本人である。ことに近隣で出会う人たちはいつも変わらぬ同じような人達だと思ってたが、ふと気がついてみると、いつの間にか今の日本人は昔の日本人とはすっかり変わってしまっているのに気がつく。 つい…

あまりにも情けない日本政府

昨2023年11月29日に米軍横田基地所属の米空軍CV22オスプレイが屋久島沖で墜落し、搭乗していた8人全員が死亡した。 その後米軍は23年12月6日に世界中に配備する全てのオスプレイの飛行を停止し、事故原因を調査していたが、今月8日、特定の部品の不具合が原…

漫画家鳥山明氏の死

先日メディア一斉に鳥山明氏の死を報じた。まだ68歳で急性硬膜外血腫による突然の死亡だったということである。 その名を見て一体どういう人だろうか分からなかった。説明に「ドラゴンボール」の漫画で一世を風靡したとあったので、「ドラゴンボール」という…

元横綱白鵬を助けよう!

新聞報道だけだから詳しいことはどこまで当たっているかわからないが、相撲界では時々不祥事が起こっている。大相撲の取り組みや勝敗についてでなく、それを運営する相撲協会に関するものである。どうも未だに尾をひく部屋制度やその上に立つ大元の相撲協会…

消えない大阪大空襲の記憶

また3月11日がやってきた。東日本大震災からもう13年も経つが、今でもTVで見た津波が押し寄せて来て、見る間に家々が飲み込まれて流されて行き、先に山の上に逃れた人たちが後から登ってくる人たちに「早く!早く!」と声をかけている姿。原子炉の上からヘリ…

映画「フィラデルフィア」

先日たまたま家のTVで表題の映画を見た。1993年のアメリカ映画で、トム・ハンクス主演でアカデミー賞などももらっている作品らしいが、エイズとゲイにまつわる偏見を法廷で覆していく物語である。 これは1987年に大手の法律事務所にいた弁護士が、彼…

白寿の祝い

この3月8日は姉の誕生日だが、今年は白寿の誕生日である。百の字の上の一を取れば白になるので、100歳にひとつ足らない99歳を白寿と言って、昔からお祝いをするのが習慣である。私の属している医師会でも、正月の互例会で例年その表彰式があり、今年…

世代の長さ

女房がこの3月2日で90歳になるというので、一昨日娘が近くのレストランで誕生日祝いをしてくれた。 ところで、その娘が今月の終わりには還暦を迎える。その上、アメリカにいる孫が丁度30歳になった。90歳、60歳、30歳と丁度綺麗に30歳毎に並ぶことになる。…

世の流れに遅れると

最近、LGBTや人種、障害者に対するる差別やセクハラ、パワハラ、学校でのいじめなどが問題になることが多くなり、メディアでも頻繁に取り上げられるようになってきた。 一昔前には韓国人をはじめとする外国人に対する人種差別、偏見や蔑視、セクハラなどは当…

貧乏人は麦を食え

一昨日だったかSNSを見ていたら興味深い話が載っていた。アメリカのシリアル大手のケロッグ社のCEO(最高経営責任者)のゲイリー・ピルニック氏がメディアとのインタビューで語った内容が物議を醸しているようである。 ピルニック氏は2月21日、CNBCがアメリ…

三つ子の魂百までも

「三つ子の魂百までも」と昔から言われている様に、子供の時に身についたものは歳をとり、時代が変わっても、なかなか抜け切れず、いつまでも尾を引くものの様である。私のように、物のない貧しい戦中、戦後の生活を過ごした者は、いまだにその頃の習慣から…

体力の衰え

91歳までは週に一二回だったが、若い時と同じようにに電車に乗り、街を歩いて産業医としての相談業務に行っていた。その年の11月の末には、女房とともに、真鶴半島の先の中川一政の美術館を訪ね、あと半島の根元のJRの駅まであちこち寄りながら随分歩いて…

映画 Perfect Days

いつも行く宝塚の映画館で表記の映画があり、久し振りのヴィム・ヴェンダースの映画で、ベルリンかどこかで何かの賞を取ったとかで期待していたので見に行った。 公衆トイレの掃除人の話だというので、社会的な問題を扱った作品ではないかと予想していたが、…

諸行無常

昨日いつもの様に散歩しようと思って門扉を出ると、通りの北の方から白い煙が上がっているのが見えた。何だろうと思ってみるとすぐ近くの四辻の向こうに赤い消防車が止まっているではないか。煙も一転茶色を帯び高く上がった。 すぐ火事だと分かった。家の中…

懐かしい昔の市電

私は中学生の頃、大阪市内の天王寺公園のすぐ近くに住んでいたので、市内の何処へ行くにも、いつも市電を利用していた。もう市電がなくなってからずいぶん年月も経ってしまったが、今でも上町線や阪堺線の電車を見ると懐かしくなる。 まだ戦前から戦後にかけ…

資本主義の終わりか。人類の終焉か。

「資本主義の終わりか? 人類の終焉か 未来への大分岐」という本がある。斎藤公平編で ネグリとハート共著の「帝国」で有名なハート、「何故世界は存在しないのか」のマルクス・ガブリエル、それに「ポストキャピタリズム」で資本主義は情報テクノロジーで崩…

トイレのスリッパ

家によって異なるだろうが、今もトイレにスリッパを用意している家庭が多いようである。写真の様に我が家でもお客のある時にはマットの上にスリッパを用意している。 今の様に何処の家でもトイレが屋内にあり、洋式便器に水洗は勿論、ウオシュレットなどまで…

ストのない国

作家の多和田葉子さんが2月16日の朝日新聞にベルリン通信としてベルリンのストライキの様子を書かれていた。 「町中を走るトラクターに驚いていると、今度は長距離列車のストが始まり、やっと列車が動き出したかと思うと、今度はバスや地下鉄ガストを行い…